リスクの「許容度」は、誰が決めるのでしょうか ―― 資産全体から考える

どこまでリスクをとれますか、という問いは、資産運用の入口でよく投げかけられます。質問に答えていくと、積極的、あるいは慎重といった言葉で結果が示され、それがご自身の型のように受け止められることもあります。ただ私たちは、この問いが性格や好みの話として扱われることに、いくらかの違和感を持ってきました。ど

相続の準備は「分け方」から始めない ―― 話し合いの順序を考える

ご家族で相続の話を始めようとしたとき、最初に浮かぶのは「誰が、何を受け取るのか」という問いではないでしょうか。分け方さえ決まれば、あとは手続きの問題になる。そう考えるのは自然なことだと思います。けれども実際には、その一点から話し合いを始めたご家庭ほど、途中で言葉が減り、いつのまにか先送りになってし

借入を「減らすべきもの」と決めてしまう前に ―― 資産と負債を一体で見る

決算書を前にしたとき、まず借入金の残高に目が向く。減らせるのなら減らしておきたい。そうしたお気持ちを、私たちはたびたび伺います。借入は返すべきものであり、少ないほうが安心できる。その感覚は、おそらく誤りではありません。ただ、残高という一つの数字を見つめているあいだ、私たちは同じ紙の反対側にある資産

オーナーが決められなくなったとき、事業は止まるのでしょうか

事業継続という言葉から、まず思い浮かぶのは地震や水害への備えではないでしょうか。非常時の連絡網を整え、データの控えを別の場所に置いておく。いずれも欠かせない準備です。けれども、実際に会社の動きが止まってしまう場面をうかがっていると、その原因が建物や設備ではなく、判断する人が不在であることに置かれて

不動産を持ち続けるとは、何を引き受けることなのでしょうか

不動産を取得するときには、多くの時間をかけて検討します。どこに、どのようなものを、どのような条件で持つのか。けれども取得を終えると、その後は「持っている」という状態がただ続いていくように受け止められがちです。管理は専門の会社に任せているので心配はない、というお声を伺うこともあります。その判断自体は

始める前に、終え方を考えておく ―― 資産運用の「出口」という起点

資産を持ち始めるときには、多くのことを考えます。何を選ぶのか、どれだけを充てるのか、いつ始めるのか。ご相談の場でも、話題の中心はたいてい入口の判断です。いっぽうで、その資産をいつ、どのような形で手放すのか、あるいは誰に渡すのかという出口の話は、後回しにされることが少なくないように感じています。出口

金融機関に「伝わる財務」とは、何を伝えることなのでしょうか

財務戦略という言葉は、資金をどう集めるか、借入をどう組み立てるかという話として受け取られることが多いように感じます。けれども実際にご相談をお受けしていると、数字そのものよりも、その数字がどのように伝わっているかで話の進み方が変わる場面に、たびたび出会います。同じ内容の決算であっても、何を添えて説明

後継者を「育てる」とは、何をすることなのでしょうか ―― 次の世代に渡るもの

事業や資産の承継を考え始めたとき、「後継者を育てる」という言葉がご家庭の中で出てくることがあります。けれども、それが具体的に何をすることなのかと問われると、答えにくいのではないでしょうか。制度の知識を身につけてもらうことなのか、数字を読めるようになっていただくことなのか、あるいは覚悟を持っていただ

分散とは、数を増やすことなのでしょうか ―― 配分を決める前に

分散しておきましょう、という言葉はよく耳にします。ご相談の場でも、いくつに分けているか、どのようなものを組み合わせているかというお話から始まることがあります。ただ私たちは、分散という言葉が、持っているものの数を数える作業として受け取られてしまう場面が少なくないように感じています。数が増えても、同じ

「良い立地」という言葉が、判断を止めてしまうことがあります

駅からの距離、人の流れ、周辺の再開発。不動産を検討する場面では、まず立地の良し悪しが話題になります。ご相談をいただくときも、「この場所はどうでしょうか」という問いから始まることが少なくありません。ただ、立地そのものに点数をつけられるわけではない、と私たちは考えています。同じ場所でも、何に使うのか、

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