百年の事業を次の百年へ
創業100年を数える事業会社のオーナー。その株式の大半をご高齢の先代が保有し、株式評価額に基づく相続税負担が、次世代への円滑な承継を妨げる大きな懸案となっていました。
現預金や自社株に偏った資産構成は、評価額が高くなりやすく、納税資金の確保も容易ではありません。承継を「いつか」のままにしておくほど、選択肢は狭まっていきます。
そこに、一つの偶然が重なります。代表の親族に、事業をリタイアし、保有する法人を譲渡したいという方がいらっしゃったのです。その法人は、銀座エリアに一棟のビルを保有していました。
SPECIFICATIONS
「物件」ではなく「会社ごと」取得するという選択。
通常、不動産は物件として直接取得します。しかし本件では、ビルを保有する法人そのものを、株式の形で譲り受ける道を選びました。リタイアを望む譲渡側にとっては、法人ごと手放すことで円滑な引退が実現でき、なおかつ代々所有している不動産は簿価が著しく低かったため、不動産譲渡益の流出を回避でき、取得側にとっては、不動産の現物取得に伴う各種コストの構造が変わるという、双方にメリットのある形でした。
さらに、銀座という希少立地の収益不動産を法人を通じて保有する構造は、現預金や自社株に偏っていた資産構成を見直し、相続時の評価のあり方を見据えるうえでも意味を持ちます。エピックは、譲渡側・取得側の双方の事情を翻訳し、両者が納得できる一つのスキームへと束ねていきました。

取得から、資金調達、運営まで。一気通貫で。
エピックは、本件を三つの論点に分解して検討しました。第一に、対象法人とその保有ビルのデューデリジェンス。第二に、約10億円の取得資金をどう組成するか。第三に、取得後の運営をいかに安定させるか。
資金調達では、金融機関との協議を当社が主導。銀座という立地と収益性、保有法人の財務内容を整理して提示し、取得資金の枠組みを整えました。そして取得後は、ビルの管理・運営をグループで引き受ける体制を構築。「取得して終わり」ではなく、保有し続けるための運営までを一貫して設計したことが、本件の特徴です。
承継の備えと、収益資産。その両立へ。
銀座の収益ビルを保有する法人という、長期にわたって価値を生み続ける資産を、オーナー家の資産構成に加えることができました。偶然訪れた譲渡の機会を、承継を見据えたスキームへと昇華させる——その橋渡しを、エピックが担いました。
百年続いた事業を、次の百年へ。資産の承継は、単なる節税の技術ではなく、家と事業の物語をつなぐ営みです。エピックは、その伴走者であり続けます。